Ermenegildo Zegnaエルメネジルド・ゼニア

このページでは、ゼニアという名前を聞いたことがあるけれどよく知らないという方や、
もっと詳しく知りたいという方のためにゼニアのことをまとめました。

「エルメネジルド・ゼニア」ブランドのどこが他よりも優れていて、ゼニアの生地さについても
触れています。ご覧になりたい項目をクリックして読みすすめてください。

ゼニアについて

「ゼニア」と略して呼ばれることが多いですが、正式名称は「Ermenegildo Zegna」。
初めてご覧になる方の中にはどう読むのかわからない方もいるかもしれません。
「エルメネジルド・ゼニア」と読み、人物名がそのままブランド名になっています。

イタリアを代表するラグジュアリーブランド「エルメネジルド・ゼニア」は、
80以上の国・地域において555店のショップがあり、本国内でも伊勢丹、三越、阪急などの有名百貨店内にあるショップと路面店を合わせて23箇所で展開しています。

ゼニア店舗

最高峰のメンズアイテムを提供するブランドとして人気を博すエルメネジルド・ゼニア、
世界中の著名人や実業家、エグゼクティブたちから高い信頼と支持を集めています。

ゼニアのスーツを着てみてわかるのが、スーツ生地の上質さ。軽くてなめらかで、生地の表面には上質なツヤがあります。あらゆる良質なものを知り尽くしたエグゼクティブたちが魅了されてしまうほどの質感なのです。

今では高級ファッションブランドとして有名なゼニアですが、もともとは1910年にイタリアの生地メーカーとして発祥。以来ゼニア社は、「最高のスーツは上質な生地があってこそ」という考えのもとに、生地作りに極上を追求し続けてきました。

オーストラリアなどの契約農場より最上級の原毛を買い付けて、イタリアの自社工場にて、紡績、染色、仕上げまでを一括管理。「一貫紡」と言われるこのシステムによって品質を安定させ、最高級生地を作り上げる土壌を整えました。
そして、当時圧倒的に強かった英国生地をしのいで、ファブリックメーカーとして世界一の座に上り詰めたのです。

こうして最高品質の生地メーカーとして世界にその名を轟かせたゼニアは、「アルマーニ」「トムフォード」
「キトン」「エルメス」「ヒューゴボス」「ラルフローレン」「ブリオーニ」にも生地を供給。

これらスーパーブランドをはじめに、高級紳士服のおよそ30%はゼニアの生地で作られています。
名実ともにゼニア社が世界の繊維業界を牽引しているといえます。

そして、生地の供給会社として確固たる地位を築いたゼニア社は、1968年よりプレタポルテ(既製服)の企画販売に乗り出します。

ミラノとパリに最初の単独ショップをオープン。品質の良さと洗練されたデザインが評判となり、
またたく間に国際的評価を得ていきます。日本でも1996年に銀座に直営の旗艦店をオープンさせ、
ビジネスマンの憧れのスーツブランドとして認知されていきました。

ゼニアホームページより▲ゼニアホームページより

ゼニアについてもう一度まとめてみると、

エルメネジルド・ゼニア社はもともと生地メーカーとして発祥し、1968年にトータルファッションブランドとして「エルメネジルド・ゼニア」を立ち上げてプレタポルテ(既製品)の販売を開始。

これにより、1968年以降のゼニア社にはゼニアショップを展開する「プレタ部門」と、従来通りのゼニア生地を製造販売する「生地部門」の2つの部門ができました。

自社縫製工場を保有してスーツ製造をするゼニアのプレタ部門と、自社の服地工場を持つ生地メーカーとしてのゼニア。この2つの部門は世界のスーパーブランドたちとも大きな関わりがあります。

この先を読み進めていくと、ゼニア社が世界の洋服業界を動かしているのがわかります。

プレタブランドとしてのゼニア

ハイブランドのスーツブランドとして世界中で有名なのは、アルマーニ、トムフォード、キートン、ブリオーニ、ダンヒル。どれもビジネスマンが憧れるスーパーブランドです。それでは、ゼニアに関わるこれらのブランドに触れていきたいと思います。

出典元 http://mensfashion-brand.com/2016/03/01/tom-ford/

GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)
誰もが知っているスーパーブランド。1975年にイタリアにて設立。代表者の名前をそのままブランド名にしているのはゼニアと同じ。ファッション業界で最も権威のあるイタリアブランドとして、世界中で世代を問わず人気があります。80年代の日本ではアルマーニのスーツを着ることがステータスであり、インポートスーツのブームを牽引しました。

商品のラインアップはGIORGIO ARMANI(ジョルジオアルマーニ)、EMPORIO ARMANI(エンポリオアルマーニ)、ARMANI COLLEZIONI(アルマーニコレッツィオーニ)。ブランドの主軸はジョルジオアルマーニで、価格は平均20万円。デザイナーのイメージが表現された商品なので、価格よりもデザインが重視されたスーツとなっています。

ハイエンドでデザイン重視のアルマーニのスーツは、商談など大切なビジネスシーンで着るというよりはパーティーなど華やかなシーンが似合います。上品でラグジュアリーナ洗練されたスーツは、品質の良い素材と縫製技術によって作られています。

アルマーニとゼニアの関わりは深く、アルマーニのスーツにはエルメネジルド・ゼニアの生地が使用されており、スーツの製造もスイスにあるゼニアの縫製工場で行われています。

出典元 https://www.tomford.com

TOM FORD(トムフォード)
グッチやイヴ・サンローランの元デザイナーであるアメリカ出身のトムフォード氏が立ち上げたブランド。倒産寸前だったグッチのクリエイティブディレクターに就任したトムフォード氏は、モードを取り入れたデザインでブランドイメージを一新し、10年間でグッチの売り上げを13倍にまで引き上げた。

グッチの収益性は大きく改善し、ファッション業界で伝説に。2004年にグッチから独立し、「トムフォード」ブランドを創立。

トムフォードのスーツを有名にしたのは映画「007」でジェームズ・ボンドが着ていたスーツです。ボンド役のダニエル・クレイグの身体にフィットした男らしいシェイプの効いたシルエットは、世界中の男性が注目しました。また、海外人気ドラマ「SUITS」で弁護士のハーヴィー・スペクターが着用していることでも有名。

トムフォードのスーツは「世界でもっとも男性をセクシーに見せる」と言われ、襟の広いピークドラペルから、襟幅の細いノッチドまで色々なスタイルが揃っています。スーツの平均価格は40万円と高額。しかし、仕立てや素材の良さを際立たせたスーツは、セレブから絶大な人気を誇っています。

トムフォードブランドの世界展開に伴い、トムフォード社は商品づくりに強いこだわりを持つエルメネジルド・ゼニア社と提携を結びました。アルマーニと同様にゼニアの最高級素材を使用し、ゼニアの縫製工場にてスーツの製造を行っています。

出典元 http://kiton.co.jp/

キートン
キートン」は1969年にイタリアのローマにて創業した高級紳士服ブランド。「世界で最も美しい服」を作ることをブランドポリシーとして掲げ、最高品質の素材と熟練職人による「ナポリ仕立て」と呼ばれる伝統的な仕立て技術をもとに、ラグジュアリーなスーツやジャケットを作り続けています。

既製服ながらもオーダーのような仕立て技術にヨーロッパの富裕層に人気。死ぬまでに一度は着てみたいスーツとして多くのビジネスマンの憧れのブランドです。

キートンのスーツの特徴はソフトなタッチとドレープの美しさにあります。芯地と生地との相性を見極めて芯据えを行い、袖つけや肩まわりには熟練の職人によるハンドワークをふんだんに取り入れるなど、着心地のために一切の妥協をしない姿勢がそれらを生み出しています。

多くの大統領や政治家も着ているキートンのスーツは紳士の憧れです。1着作るのに数十時間かけて作られるスーツの価格は50万円〜。手間暇を惜しみなくかけて作られるキートンのスーツはまさに最高峰の紳士服です。

50万円以上の高価なスーツに使用する生地には最高級の素材が選ばれています。繊細でなめらかな生地が多く、極細番手のウールやカシミア、シルクなど最高級の天然素材で、主にエルメネジルド・ゼニアの生地が用いられています。

出典元 https://www.brioni.com/jp/

ブリオーニ
1945年にイタリアのローマにて創業した紳士服。セレブたちに愛される世界最高峰スーツブランドのブリオーニ、最高級の素材と熟練の職人によるハンドワークにこだわったイタリアのエレガンスを追求し続けています。

手作業縫製にこだわったブリオーニのスーツの着心地は非常に軽やかで、どんな体型の人でも着るだけで似合うと評価されています。それもそのはず、職人の手仕上げによる縫製と緻密なアイロンワークなど随所にブリオーニのこだわりが詰まっています。

また、映画「007」の中でジェームスボンドがブリオーニのスーツを着ていたのはあまりにも有名で、パッドを強調した黒のエレガントなスーツが話題になりました。

エルメネジルド・ゼニアをはじめとした最高品質の生地ブランドから仕入れた生地を使い、約700人のサルトリアを配する最大規模の縫製工場で作られるブリオーニのスーツは、世界最高峰と言われるクオリティー。着用するシーンを選ばないベーシックなスーツコレクションを有し、スーツの価格帯は50万円〜70万円です。

生地メーカーとしてのゼニア

ゼニア以外に生地メーカーとして有名なのは、ダンヒル、ロロピアーナ、ドーメル、キャノニコ。
この他にも多数ありますが、ゼニア生地の品質・価格に近いメーカーに絞って、ゼニアと比較するかたちで説明していきます。

ダンヒル
ゼニアの生地に次いで知名度の高い「ダンヒル」。Web上で「オーダースーツ ダンヒル」と検索すれば、ダンヒルの生地を取り扱うオーダー店がたくさん出てきます。

1893年にイギリスで創業したAlfred Dunhill(アルフレッド・ダンヒル)。馬術用製品の製造卸売りが始まりです。その後、パイプやライター、スーツ、ネクタイ、香水、ベルトなどを扱うようになり、著名人も愛用する一流ブランドへと成長。2006年からはワールドカップ日本代表のオフィシャルスーツを手がけています。

ダンヒルの生地の特徴としては、英国製生地のイメージそのものでハリがあって硬めです。
ゼニアが軽さやしなやかさを重視するのとは違い、しっかりとした丈夫さを重視した作りです。
ダンヒルの生地の色柄は、流行に左右されない定番のものが中心。コレクションの構成は定番7:新作3の割合。
ゼニアがシーズンごとに毎年新作を出すのとは対照的です。ゼニアは定番2:新作8の割合。

2社の違いは生地の質感や色柄だけではありません。決定的な違いがあります。

それは、ダンヒルは生地を生産する工場を保有していないということです。世界中から選りすぐりの生地を
取り寄せ、ダンヒルのブランドロゴを生地の耳に入れて販売していました。

世の中の生地のトレンドが「丈夫さ」から「軽さ」に変わり始めると、重厚感が売りだったダンヒルの生地もイタリア生産の柔らかい生地が中心になっていきました。しかしそうすることでダンヒルらしさが失われ、オーダー店でダンヒル離れが起き始めます。

そしてついに2015年ダンヒル社による生地販売が中止に。2018年現在のオーダー店には、ダンヒル生地の在庫はほぼなくなったと聞いています。もしも置いてあるお店があれば3年前の旧品かもしれません。

出典元 https://www.loropiana.com/jp/

ロロピアーナ
ロロピアーナはゼニアと並ぶイタリアのトップ生地メーカーです。

本拠地は創業地のイタリアのヴァルセシアで約180年の歴史があり、ロロピアーナもゼニア社と同様に
糸の原料である繊維の生産から仕上げまで一貫して自社工場で行うミルの業態をとっています。

ロロピアーナの生地の特徴は、柔らかな風合いです。男性用というよりも女性用と言えるほどふんわりと柔らか。実際にロロピアーナの名前は女性によく知られています。生地の色柄もノーブルでナチュラルな淡いトーンのものが多く、この部分でも女性向けと言えるかもしれません。

ただ長い歴史の中で培われた生地製造技術は間違いなく、ロロピアーナの代表商品のタスマニアンは、Super150’sの希少な極細のメリノウールを使い、優れた風合いをもつ生地として人気があります。

ロロピアーナはオーダーメイドの生地をはじめとして、キートンやブリオーニ、ベルベスト、イザイア、
カナーリなどの高級ブランドにも生地を供給しています。

ロロピアーナの生地はゼニアよりも柔らかで繊細。ビジネスシーンでバリバリと動き回るというよりも
講演など短時間で着るスーツに向いています。ロロピアーナ直営のショプでもカジュアルシーンで着る
ニットやジャケット、女性向けの商品を中心に取り扱っています。

出典元 https://www.dormeuil.com/jp/

ドーメル
ドーメルは1842年に服地のプロデュースを行う繊維商社(マーチャント)として創業。当初はロンドンに本社を構えていたが、現在はパリ郊外に企画デザイン、生産管理といった本社機能を集約しています。

ドーメルの生地は、シャネルやディオール、イヴサンローランなどパリコレに参加するさまざまなブランドが使用。パリだけではなく、80ケ国以上に供給され世界的な評価を受けています。

ドーメル生地の中でもっとも有名なのが、アマデウス。
シワになりにくく、上品なツヤも兼ね備えた生地。
厳選された原毛と英国仕込みのしっかりとした織りがこうした特性を生み出しています。

ゼニアやロロピアーナに比べて、生地にハリと重さがあってしっかりした触り心地です。ダンヒルに近い雰囲気。色柄は英国的でハッキリとしたストライプ、チェックなどが特徴的でやや派手な印象。色柄を作る際、ゼニアやロロピアーナが濃淡の差をつけないでボンヤリさせた柄作りをするのとは対照的に、ドーメルは濃淡の差を際立たせた柄づくりをします。ハッキリと印象に残るインパクトのある生地コレクションです。

出典元 https://vitalebarberiscanonico.jp

カノニコ
カノニコは1663年創業の老舗生地メーカー。生地の価格がイタリアのブランドの中では比較的安く、オーダーで作った際のスーツ価格も比較的安価で人気があります。

オーストラリアにある自社工場にて、紡績、製織、仕上げをすべて行っています。ゼニアと同様に一貫紡の体制を取ることで徹底した品質管理をしています。

カノニコ生地の色柄の特徴としては、イタリア製だけあってゼニアに似ています。濃淡の差をハッキリつけた柄ではなく、同色系の色合いで作った柄で落ち着いた雰囲気です。生地の質感は光沢があってやわらかく滑らか。細い糸を使用しているので生地自体の重さも軽いです。

ゼニア生地と比較してみると、色柄は先ほど述べたようによく似ています。最新のトレンドを取り入れたオシャレな色柄が毎シーズンラインアップされます。質感は柔らかくて心地が良いのですが、やや柔らかすぎる印象です。同じスーパー120の生地でも原料自体が違うので、生地のハリや光沢に差が出てしまうのは仕方がないところです。とはいえ、ゼニア生地と比べて価格は約3分の1ですので十分すぎる質感だといえます。

価格以上に高級感のあるコストパフォーマンスに優れた生地として、オーダースーツ業界では安定して人気のある生地ブランドです。

 

いかがでしたか?

縫製工場を保有するゼニアのプレタ部門と、服地工場を持つ生地メーカーとしてのゼニア、
これら2つのゼニアがいかに世界のスーパーブランドと密接な関わりがあるかを
おわかりいただけたかと思います。

こうした背景を知っていただくと、ゼニアの生地の良さ、ゼニアスーツの価格の違い、
スーツスタイルのことなどがよくわかるようになります。

銀座でエルメネジルド・ゼニアの生地を専門に取り扱っているオーダー店の清水が
お届けしました。

  1. 01

    ゼニアとは?

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    ゼニアの歴史

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    ゼニアのスーツを購入する方法

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