ゼニアとは?

このページでは「ゼニア」の名前を聞いたことがあるけれどよく知らないという方のために「ゼニア」についてまとめました。

「ゼニア」とは何なのか?なぜここまで有名なのか?さらに「ゼニア」の生地の良さについて触れています。ご覧になりたい項目をクリックして読みすすめてください。

目次

ゼニアについて

「ゼニア」と略して呼ばれることが多いですが、正式名称は「Ermenegildo Zegna」

はじめて目にする方には、どう読むのかわからないかもしれません。

「エルメネジルド・ゼニア」と読み、人物名がそのままブランド名になっています。

イタリアを代表するラグジュアリーブランド「エルメネジルド・ゼニア」は世界80カ国に545店のショップがあります。

日本国内でも三越伊勢丹、高島屋、阪急などの百貨店のショップ、そして路面店を合わせて22箇所で展開しています。

最高峰のメンズアイテムを提供するブランドとして人気の「ゼニア」は世界の著名人や実業家、エグゼクティブたちから高い信頼と支持を集めています。

ゼニアのスーツを着てみてわかるのがスーツ生地の上質さ。軽くてなめらかで、生地の表面には上質なツヤを携えています。

良質なものを知り尽くしたエグゼクティブな方たちが魅了されてしまうほど、上質なゼニア生地の質感なのです。

今では高級ファッションブランドとしても有名な「ゼニア」ですが、もともとは1910年にイタリアの生地メーカーとして発祥しました。

以来ゼニア社は「最高のスーツは上質な生地があってこそ」という考えのもと、生地作りに極上を追求し続けてきました。

高級紳士服の30%がゼニア生地を使用

オーストラリアから最上級の原毛を買い付け、イタリアの自社工場で紡績、染色、仕上げまでを一括管理することで品質を安定させ、最高級生地を作り上げる土壌を整えました。

そして、当時圧倒的に強かった英国生地をしのいで、生地メーカーとして世界一の座に上り詰めました。

最高品質の生地メーカーとして「ゼニア」は世界にその名を轟かせました。

ゼニア生地は「アルマーニ」「エルメス」「トムフォード」「キトン」「ヒューゴボス」「ラルフローレン」「ブリオーニ」の洋服に使われています。

スーパーブランドをはじめとした高級紳士服の30%はゼニア生地で作られ、名実ともに「ゼニア」が世界の繊維業界を牽引しています。

ゼニアは生地メーカーからプレタポルテへ

生地の供給会社として確固たる地位を築いた「ゼニア」は、プレタポルテ(既製服)の企画販売に乗り出します。

1968年にトータルファッションブランドとして「エルメネジルド・ゼニア」を立ち上げてプレタポルテ(既製品)の販売を開始。

ミラノとパリに最初の単独ショップをオープン。品質の良さと洗練されたデザインが評判となり、またたく間に国際的評価を得ます。

日本でも1996年に銀座に直営の旗艦店をオープンさせ、ビジネスマンの憧れのスーツブランドとして認知されました。

▲ゼニアホームページより

スーパーブランドとゼニアの深い関係

世界のスーパーブランドの「アルマーニ」「トムフォード」「ダンヒル」「ブリオーニ」はどれもビジネスマンの憧れです。

「ゼニア」はこれらのスーパーブランドとすべてと大きな関わりがあります。

GIORGIO ARMANI ジョルジオアルマーニ

誰もが知るスーパーブランド。1975年にイタリアにて設立。最も権威のあるイタリアブランドとして世代を問わず人気です。

80年代の日本ではアルマーニのスーツを着ることがステータスであり、インポートスーツのブームを牽引しました。

商品ラインアップはGIORGIO ARMANI(ジョルジオアルマーニ)、EMPORIO ARMANI(エンポリオアルマーニ)、ARMANI COLLEZIONI(アルマーニコレッツィオーニ)

ブランドの主軸はジョルジオ・アルマーニ、価格は40万円前後が中心です(2024年調べ)

出典元 http://mensfashion-brand.com/2016/03/01/tom-ford/

出典元 http://mensfashion-brand.com/2016/03/01/tom-ford/

ハイエンドでデザイン重視のアルマーニのスーツは、商談など大切なビジネスシーンで着るよりもパーティーなど華やかなシーンに向きます。

アルマーニにはゼニア生地が使用されており、スーツの製造もスイスのゼニアの縫製工場で行われています。

TOM FORD(トムフォード)

グッチやイヴ・サンローランの元デザイナーアメリカ出身のトムフォードが立ち上げたブランド。

倒産寸前のグッチのクリエイティブディレクターに就任したトムフォード氏は、モードを取り入れたデザインでブランドイメージを一新。10年でグッチの売り上げを13倍に引き上げました。

グッチの収益性は大きく改善し、ファッション業界で伝説に。2004年にグッチから独立し「トムフォード」ブランドを創立。

出典元 https://www.tomford.com

トムフォードを有名にしたのは映画「007」でジェームズ・ボンドのスーツ。ボンド役のダニエル・クレイグの身体にフィットした男らしいシェイプの効いたシルエットで世界の男性を魅了しました。

海外人気ドラマ「SUITS」で弁護士のハーヴィー・スペクターが着用したことでも有名です。

トムフォードのスーツは「世界でもっとも男性をセクシーに見せる」と言われ、襟幅の広いピークドラペルから、襟幅の細いノッチドがあります。

スーツの平均価格は65万円と高額。ですが、仕立てや素材の良さを際立たせたスーツはセレブから絶大な人気があります。

トムフォードブランドの世界展開に伴い、トムフォードはゼニアと提携を結びました。

アルマーニと同様にゼニアの最高級素材を使用し、ゼニアの縫製工場にてスーツを製造しています。

キートン

キートン」は1969年にイタリアのローマにて創業した高級紳士服ブランド。

世界で最も美しい服を作ることをポリシーに、最高品質の生地と熟練職人によるナポリ仕立ての技術でスーツを作っています。

出典元 http://kiton.co.jp/

既製服ながらもオーダーのような仕立て技術がヨーロッパの富裕層に人気。死ぬまでに一度は着たいスーツとしてビジネスマン憧れのブランドです。

キートンのスーツの特徴は芯地と生地との相性を見極めて芯据えを行い、袖つけや肩まわりには熟練の職人によるハンドワークをふんだんに取り入れています。

1着に数十時間かけて作るスーツの価格は70万円〜。手間暇を惜しみなくかけて作られます。

70万の高価なスーツには最高級生地が不可欠。繊細でなめらかな極細素材のゼニア生地が用いられています。

ブリオーニ

1945年にイタリアのローマにて創業した紳士服。最高級素材と職人によるハンドワークにこだわったイタリアのエレガンスを追求しています。

手作業縫製にこだわったブリオーニのスーツの着心地は非常に軽やかで、どんな体型の人にも合うと評されています。

出典元 https://www.brioni.com/jp/

トムフォード以前の「007」でジェームスボンドがブリオーニのスーツを着ていたのはあまりにも有名。パッドを強調した黒のエレガントなスーツが話題になりました。

「ゼニア」をはじめとした最高品質の生地を使用し、約700人のサルトリアを配する縫製工場で作られるブリオーニのスーツは世界最高峰のクオリティーです。

着用するシーンを選ばないスーツの価格帯は70万円〜100万円と超高額です。

生地メーカーとしてのゼニア

「ゼニア」以外の生地メーカーとしてロロピアーナ、ドーメル、キャノニコなど多数あります。ゼニアと比較しながらご説明します。

生地 – ロロピアーナ

ロロピアーナは「ゼニア」と並ぶイタリアの生地のトップメーカーです。

イタリアのヴァルセシアで約180年の歴史があり、ゼニア社と同様に糸の原料の生産から仕上げまで一貫して自社工場で行っています。

ロロピアーナの特徴はやわらかなふんわりとした風合いで、色柄もナチュラルな淡いトーンのものが多く、男性よりも女性向けといえるほどです。

出典元 https://www.loropiana.com/jp/

ロロピアーナの代表商品のタスマニアンはSuper150’sの希少な極細のメリノウールを使い、優れた風合いをもつ生地として人気があります。

ロロピアーナの生地はゼニアよりも柔らかで繊細。ビジネスシーンでバリバリと動き回るというよりも
講演など短時間で着るスーツに向きます。

生地 – ドーメル

ドーメルは1842年に服地のプロデュースを行う繊維商社として創業。当初はロンドンでしたが、現在はパリ郊外で企画デザインを行なっています。

ドーメルの生地は、シャネルやディオール、イヴサンローランなどパリコレに参加するさまざまなブランドが使用。世界80ケ国以上に供給されています。

ドーメルでもっとも有名な生地がアマデウス。シワになりにくく上品なツヤを兼ね備えています。

出典元 https://www.dormeuil.com/jp/

ゼニアやロロピアーナに比べて、英国仕込みのしっかりとした織りが特徴。ハリと重さがあります。

ゼニアが濃淡の少ない柄が多いのとは対照的に、ドーメルは濃淡の差を際立たせた柄が多いです。印象に残るインパクトのある生地が得意です。

生地 – ダンヒル

以前はゼニアに次いで知名度の高かったダンヒルですが、2015年に生地販売を中止。それ以降、オーダー店にダンヒル生地はほぼなくなりました。

1893年にイギリスで創業したAlfred Dunhill(アルフレッド・ダンヒル)

パイプやライター、スーツ、香水、ベルトなど著名人も愛用する一流ブランドへと成長。2006年にはワールドカップ日本代表のスーツを手がけました。

ダンヒル

ゼニアとダンヒルには大きな違いがあります。

ダンヒルは生地生産工場を保有していません。世界から選りすぐりの生地を仕入れ、ダンヒルのロゴを入れて販売していました。

生地 – カノニコ

カノニコは1663年創業の老舗生地メーカー。イタリアのブランドではお値打ちで人気があります。

オーストラリアにある自社工場にて、紡績、製織、仕上げを行います。ゼニアと同様に一貫紡の体制を取ることで品質管理を徹底しています。

カノニコの生地は同色系の色合いで作った落ち着いた雰囲気。色柄はゼニアに近く、光沢があってやわらかく軽いです。

出典元 https://vitalebarberiscanonico.jp

「ゼニア」とカノニコを比較すると、同じスーパー120の細番手で作った生地でも、やはり「ゼニア」の方がハリや光沢など質感は上質です。原料レベルが違うので仕方ありません。

とはいえ、「ゼニア」と比べて約3分の1の生地価格と聞けば、価格の割にはまずまずの質感といえます。

ゼニアとは?

いかがでしたか?

「ゼニア」がいかに世界のブランドと密接な関わりがあるかおわかりいただけたかと思います。

こうした背景を知ると、ゼニア生地の上質さや、なぜゼニア生地で作るスーツが世界のビジネスマンから支持されるかがよく分かると思います。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。ゼニア生地に特化したオーダー専門店スプレーモがお届けしました。


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