ゼニア生地の種類

ゼニアは100年以上にわたって最高級の生地を作り続けてきました。

ゼニアの代表生地「トロフェオ」「15ミルミル」、さらに革新的な「トラベラー」は世界のスーパーブランドに使用されています。

ここでは、ゼニアが開発した生地の数々を詳しくご紹介します。

Trofeo(ゼニア トロフェオ)

ゼニアを代表する生地であるトロフェオ。オーストラリア産のスーパーファインメリノウール(細い原毛)の中から、その年の最高品質の原毛だけを使って作られます。

高品質な羊毛からしか出ないツヤツヤとした光沢のあるスーツは上質さを醸し出します。また、しっとりとしたさわり心地も世界のビジネスマンから好評のトロフェオです。

トロフェオは春用と秋用として年に2回発売されます。ゼニアを代表する生地だけに、選べる生地の種類は最多。旬の色柄が新作としてラインアップされます。

「トロフェオのスーツを着用すると、他のスーツが着られなくなる」と言われています。ゼニアショップの販売価格は583,000円(2024年調べ)

Traveller(ゼニア トラベラー)

トラベラーの名のとおり、出張や旅行で活躍します。ゼニアの開発者によると、シワになったジャケットをかけておくと、ほぼ元の状態に回復する機能を備えています。

トラベラーは強撚糸を使用し、織り上げる段階で高度な防シワ・摩擦加工を施しています。

260gと軽量なので夏を除く3シーズン着られます。防シワ加工を施した機能性生地の名作として知られています。

15milmil15(ゼニア 15ミルミル)

クインディッチミルミルクインディッチ。一般的には15ミルミルと呼ばれています。

15ミクロンの超極細糸を使用。このクラスの糸は希少性が高く、まるでシルク100%と間違うほど繊細なタッチです。

トロフェオがタテに双糸(2本)を、ヨコに単糸(1本)なのに対して、15ミルミルはタテにもヨコにも双糸(2本)を使います。トロフェオより極細糸なのに、生地にハリやコシがあるのはタテヨコ双糸だからです。

希少性の高い極細糸をふんだんに使った15ミルミルは、ゼニアの中で最上級があるがゆえに価格も高額。ゼニアショップの販売価格は737,000円(2024年調べ)

Trofeo 600(トロフェオ600)

ゼニアトロフェオにシルクを15%ブレンド。600とはシルクの番手のこと。表面にはきめ細やかなシルクの光沢が広がり、さわり心地はとてもソフト。

Trofeo 600(トロフェオ600)

トロフェオに満足できず、さらに一歩進んだ生地を求める方に最適。唯一の弱点としてはトロフェオに比べてシワになりやすいこと。こまめなアイロンが必要です。

Trofeo Cashmere(トロフェオ カシミア)

トロフェオにカシミアを5%ブレンド。わずか5%ですが、残りの95%のトロフェオとミックスすることでソフトな触り心地を実現しています。

トロフェオよりもやや起毛した厚みのある生地です。生地のツヤは抑えめでマットな見た目なので、セットアップスーツとしても使われます。

14Milmil14(14ミルミル)

14ミクロンの超極細糸を使用。人の髪の毛が直径50ミクロンなので、14ミクロンがいかに細いかがわかります。

14ミルミルはカシミア100%に限りなく近いソフトな触り心地で、生地表面をうっすら起毛させ、柔らかさだけではなく秋冬用のスーツ生地としての保温性もしっかりと確保。

生産量が極めて少ない希少価値の高い14ミルミル、しっとりとした極上のさわり心地を体感ください。

ELECTA(ゼニア エレクタ)

エレクタの特徴はその耐久性。エレクタはしっかりとした太い糸を使用しているので、ハードに着ても傷みにくいです。

トロフェオがスーパー130の細糸に対し、エレクタはスーパー110レベル(数字が大きいほど糸は細い)。しっかりとした糸が耐久性とシワへの耐性を生み出します。

太糸でも生地の重さは260gと重くありません。ゼニア生地だけあって上質な原料を使用しているので、高級感のあるツヤもしっかりあります。長年にわたり人気のゼニアのロングラン生地です。

シワを気にしないで着られるので、ゼニアのオーダースーツが初めての方や、ハードな使用の方におすすめです。

Traveller Silk(ゼニア トラベラー シルク)

トラベラーシルクの混率はウール90%、シルク10%。春、夏、秋、冬と厳寒期を除けば1年中着ることができるオールシーズン生地です。

表面にはシルク混らしいきれいな光沢。極細糸が細かな美しい柄を作ります。

トラベラーの名前が付いていますが、シワになりにくいトラベラーとは別物と考えてください。シルクが入ったことでシワになりやすいのがマイナス点です。

HERITAGE(ゼニア ヘリテイジ)

ヘリテイジは、ゼニア社が創業以来開発した素材を集めた生地コレクションと、エルメネジルド・ゼニア氏のワードローブからピックアップしたデザインした生地です。

生地の雰囲気は1930年代で、当時のデザインを現代風にアレンジしています。

クラシカルな歴史を感じさせるヘリテイジは、今のトレンドにピッタリの生地です。

Cool Effect(ゼニア クールエフェクト)

クールエフェクトは、日本の夏にスーツを着るビジネスマンにとって救世主と言われ人気になった生地です。

太陽光を80%反射し、表面温度を10度下げるクールダウン効果を実現。生地の染めと仕上げの段階で特殊なトリートメント加工を施しています。

人工的な風合いはまったくなく、ゼニアの夏生地の定番として人気を博しています。(2022年よりコレクションから削除)

High Performance(ゼニア ハイパフォーマンス)

強い撚りをかけた強撚糸を使用。元に戻ろうとする強い弾力性によって、シワになった際に元に戻ろうとします。

さわり心地はシャリッとしていて、真夏でも快適に過ごせる質感で240gと軽量。

ハイパフォーマンスにはナチュラルストレッチの機能が加わり、運動量の多い動きやすいスーツとなります。

High Performance Linen(ゼニア ハイパフォーマンス リネン)

強撚糸を使用したハイパフォーマンスに麻を混紡した真夏用の生地。見た目には麻特有のスラブが入って、さらりとしたさわり心地で清涼感があります。

麻が入っていますが、シワに強いハイパフォーマンスと組み合わせたことでシワが目立ちません。クールビズ用としてノーネクタイスタイルにも着用できます。

Mohair Trophy(ゼニア モヘアトロフィー)

南アフリカ産の上質なモヘアを使用した夏向け素材です。

ゼニアのモヘア混生地は薄くて軽いのが特徴です。薄いながらも、生地にハリやコシがあって、モヘアの光沢感も十分です。

モヘア混の素材はシワになりにくいので、湿度の高い日本では人気です。

Mohair Trophy(モヘアトロフィー)

Stile Libero(ゼニア スティーレリベロ)

2018年春夏に新発売の夏用素材。強撚糸とライクラをかけ合わせることで、横方向に伸びるストレッチ素材を開発。

スティーレリベロはサラサラとした清涼感のあるさわり心地で、湿度の高い夏でも快適に着ることができます。ゼニアがスーツ生地にライクラを使用するのは初めての試み。

Cashco(ゼニア カシコ)

カシミアと繊細な綿をブレンドして織り上げたカジュアル向け素材。カシミアとコットンのそれぞれの特徴を消すことなく、異なる季節の2種の天然素材をブレンドしました。

シーズンを問わないカジュアルな素材として好評。カシミア混ならではの上質さも感じられます。

Trofeo Denim (トロフェオデニム)

デニムといえば通常はコットン100%ですが、トロフェオデニムはウール100%でデニム感を再現。生地の目新しさがウケて、秋冬の発売時にはすぐに完売。

Trofeo Denim (トロフェオデニム)

色落ちしない加工がしてあり、ジャケットにもパンツにも使用できるカジュアル向けの生地です。

Cross Ply(ゼニア クロスプレイ)

ジャケット用の素材です。春夏用と秋冬用の年に2回発売されて、ウール・麻・シルクなど3種類を混紡で織り上げる上品な生地です。

無地をはじめ、織り柄、チェック柄などジャケットの色柄は豊富に揃っています。

2024春夏コレクション
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