フワフワとした羊の毛がどのようにしたら上質な光沢のあるスーツ生地に変貌を遂げるのか。
しかも、それがストライプやチェックなどの柄や柄が入ったオシャレな生地になるのか、と考えるだけでも不思議です。

オーストラリアから買い付けた原毛を、自社工場にて紡績、染色、フィニッシングまでを行う。
ゼニアは100年以上にわたって最高級の生地を作り続けてきました。ゼニアを代表する生地である
「トロフェオ」「15ミルミル」、さらに革新的な機能性生地の「トラベラー」「ハイパフォーマンス」を開発。
他のスーツメーカーにも大きな影響を与えました。

ここではエルメネジルド・ゼニア社が開発した生地の数々を紹介します。

ゼニア生地種類 アイテム 混率 目付け 着用可能時期 生地の
特徴
こんな方に
おすすめ
 

トロフェオ
スーツ
スラックス
ウール100%
230g/m
真夏を除くスリーシーズン ゼニアの代表生地。光沢感・さわり心地は 高級感のあるスーツを着たい方 詳細は
こちら

トラベラー
スーツ   10月~4月末 シワになりにくい。オーダー初心者向け 毎日スーツを着て仕事をする方。出張の多い方。 詳細は
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トロフェオTrofeo(トロフェオ)

ゼニアを代表する生地であるトロフェオ。オーストラリア産のスーパーファインメリノウール(細い原毛)の中から、その年の最高品質の原毛だけを使って作られます。

滑らかな風合いはスーツに相性が良く、シーズンを問わず着ることができると世界のビジネスマンから好評です。生地表面には高品質な羊毛からしか出ないツヤツヤとした自然な光沢があって、上質さを醸し出しています。また、しっとりとしたさわり心地が快適です。

トロフェオは春用(2月)と秋用(8月)として、年に2回発売されます。ゼニアを代表する生地だけに、生地の種類はシーズンコレクションの中でも最多。無地、ストライプ、チェックなど、そのシーズンの旬の色柄が新作としてラインアップされます。

「トロフェオのスーツを着用すると、他のスーツが着られなくなる」と言われています。ゼニアでの販売価格はプレタで38万8千円(2018年ゼニアオンラインショップ調べ)

【着用時期は、真夏を除いた春・秋・冬のスリーシーズン】

トラベラーTraveller(トラベラー)

トラベラーというその名が示すとおり、出張や旅行で活躍する生地です。出張先でしわになったジャケットをハンガーにかけておくと、翌朝にはほぼ元の状態にまで回復する機能を備えています。

トラベラーは強撚のダブルツイスト糸(双糸・・・2本の糸を撚り合わせて1本の糸にしたもの。双糸を使うと生地にハリとコシが出て耐久性が増します)を使用し、生地に織り上げる段階で高度な防シワ・摩擦加工を施しています。

柔軟で弾力性に富み、1mあたり260gと軽量な生地は、春から初夏までと秋冬にも着られます。防シワ加工を施した機能性生地の名作として知られています。

【着用時期は、春から初夏までと秋冬】

15milmil15milmil15(15ミルミル)

クインディッチミルミルクインディッチ。一般的には15ミルミルと呼ばれています。 15ミクロンの超極細で繊細な糸を使用。このクラスの極細糸は非常に希少性が高く、生産量はウール全体のわずか15%ほどです。極細糸で織り上げた15ミルミル、さわり心地はサラサラと流れるようになめらかで、まるでシルク100%と間違うほど繊細なタッチです。

同じように極細の糸を使用したトロフェオが縦糸に双糸(そうし)を、横糸に単糸(たんし)を使っているのに対して、15ミルミルは縦糸にも横糸にも双糸を使っています。トロフェオの糸よりも極細なのに生地にハリやコシがあるのは、この双糸によるものです。

希少性の高い極細糸をふんだんに使った15ミルミルは、ゼニア生地の中で最上級があるがゆえに価格も高額です。ゼニアでの販売価格はプレタで52万9千円(2018年ゼニアオンラインショップ調べ)

【着用時期は、真夏を除いた春と秋と冬のスリーシーズン】

trofeo600Trofeo 600(トロフェオ600)

トロフェオにシルクを15%ブレンド。600とはシルクの番手のことで、可能なかぎり細番手のシルクとトロフェオを混ぜ合わせました。生地表面にはきめ細やかなシルクの光沢が広がり、高級感のある素材です。さわり心地はとてもソフトで、生地の重さも190gと超軽量です。

定番素材のトロフェオに満足できず、さらに一歩進んだ生地を求めるお客様に最適。唯一の弱点としてはトロフェオに比べてシワになりやすいこと。こまめなアイロンなどの手間がかかります。

【着用時期は、オールシーズン】

トロフェオカシミアTrofeo Cashmere(トロフェオ カシミア)

トロフェオに世界最高級のカシミアを5%ブレンド。わずか5%と思われるかもしれませんが、残りの95%を占めるウールには高品質のトロフェオの原毛を使用しています。 以前のトロフェオカシミアは、厚手で真冬専用のスーツ生地だけでした。トレンドの変化に合わせて、薄く軽く改良されました。 カシミアが混合されているので、トロフェオよりもソフトなさわり心地。そして、生地表面の毛がクリアカットされ、トロフェオ並みの上質なツヤがあります。 【着用可能時期は、秋と冬】

15milmil14Milmil14(14ミルミル)

14ミクロン(1ミクロン=1000分の1mm)の超極細糸を使用。人の髪の毛が直径50ミクロンなので、14ミクロンの糸がいかに細いかがわかります。14ミルミルは秋冬専用の厚みのある生地です。ふんわりとした厚めの生地を作るために、かなりの量の高級極細糸を使っています。

14ミクロンの極細糸で織られた14ミルミルの生地は、カシミア100%に限りなく近い触り心地。また、ウール97%、カシミア3%の紡毛糸を使用しながらも、1m当たりの重さは280gと軽量。

生地表面をうっすら起毛させ、柔らかさだけではなく秋冬用のスーツ生地としての保温性もしっかりと確保。クラシカルなストライプやチェック柄がラインアップし、しっかりとトレンドをおさえています。

生産量が極めて少なく、希少価値の高い14ミルミル、しっとりとした極上のさわり心地を体感ください。

【着用可能時期は、秋と冬】

Traveller(トラベラー)ELECTA(エレクタ)

エレクタの生地の特徴はその耐久性。ビジネスシーンでハードに着ていただいても生地が傷むといったことがありません。その理由は、エレクタがしっかりとした太い糸を使用しているからです。トロフェオの糸がスーパー130レベルであるのに対し、エレクタに使用しているのはスーパー110レベル(数字が大きいほど糸は細いです)。しっかりとした糸が耐久性とシワへの耐性を生み出しています。

太い糸を使用しているといっても、1mあたりの生地の重さは260g程度です。スーパー110の糸には上質な原料を使用しているので、生地表面には高級感のあるツヤもあります。1929年に登場したこのエレクタは、長年にわたり人気があるゼニアのロングラン生地です。

シワを気にしないで着ることができるので、ゼニアのオーダースーツが初めての方や出張の多い方におすすめしています。

【着用可能時期は、秋と冬 】

トラベラー シルクTraveller Silk(トラベラー シルク)

トラベラーシルクの混率はウール90%、シルク10%。シルクの入っていないTraveller(トラベラー)の重さが280gに対して、トラベラーシルクはわずか240gと軽量。春、夏、秋、冬と厳寒期を除けば1年中着ることができるオールシーズン用の生地です。

表面にはシルク混らしいきれいな光沢があります。極細の糸を使用しているので細かな美しい柄を作ることができます。

Travellerの名前が付いていますが、シワになりにくく復元力のあるTravellerとは別物の生地だと考えてください。シルクを入れたことで柔らかくツヤもありますが、シワになりやすいのがマイナス点です。

【着用可能時期は、厳寒期を除いたオールシーズン】

ヘリテイジHERITAGE(ヘリテイジ)

ヘリテイジは、ゼニア社が創業以来開発してきた素材を集めた生地コレクションと、エルメネジルド・ゼニア氏のワードローブからピックアップしています。生地の雰囲気は1930年代で、当時のデザインを現代風にアレンジしたシリーズです。

1930年代と同じように糸の撚りをダブルツイストにし、トラディショナルフィニッシュを施すなど当時の生地を再現しています。

ヘリテイジには夏用と冬用の2種類あります。夏用は太めの糸でザックリと織り上げた生地で、冬用は起毛のフラノ調の生地になり、同じ名前の生地でも雰囲気がまったく違います。

クラシカルな歴史を感じさせるヘリテイジは、今のトレンドにピッタリの生地です。

【夏用と真冬用の2種類あります】

highperfoCool Effect(クールエフェクト)

2010年に初登場。高温多湿な日本の夏、スーツを着なければいけないビジネスマンにとって救世主と言われ大人気になった生地です。

濃色の生地でも太陽光を80%反射し(通常の反射率は20%)、スーツの表面温度を10度下げるクールダウン効果を実現(ゼニア社実験データ)。生地の染めと仕上げの段階で特殊なトリートメント加工を施され、真夏に涼しく着られるスーツになります。

他メーカーの機能性をうたう生地にありがちな人工的な風合いはまったくありません。夏場でも上着を着ることができるという革新をもたらしました。2010年の登場以来、ゼニアの夏生地の定番として人気を博しています。

【着用可能時期は5月〜10月初旬】

ハイパフォーマンスHigh Performance(ハイパフォーマンス)

スーパーファイン糸に強い撚りをかけた強撚糸を用いています。強撚糸の特徴は、元に戻ろうとする強い弾力性です。この特徴によって、シワになった際に元に戻ろうとします。

ゼニア社の技術力を集結した、日本の夏に最適の生地です。そのさわり心地はシャリッとしていて、真夏でも快適に過ごせる質感です。1mあたり240gと軽量。

ハイパフォーマンスには2種類あって、細い糸を使用した従来の生地とポーラ織りのように粗いザックリとした織り方の生地の2つです。生地にはナチュラルストレッチの機能が加わったので、運動量の多い動きやすいスーツが作れます。

【着用可能時期は、真夏】

ハイパフォーマンス リネンHigh Performance Linen(ハイパフォーマンス リネン)

強撚糸を使用したハイパフォーマンスに、麻を混紡した加えた真夏用の生地。麻の混紡率が10%とは思えないほどで、見た目には麻特有のスラブが入っていて50%以上の麻が混紡されているようで、さわり心地もサラリとしてかなり清涼感があります。

麻が入っている生地はシワになりやすいのですが、この生地はシワに強いハイパフォーマンスと組み合わせたことで、シワがあまり目立ちません。真夏に最適な生地ハイパフォーマンスリネンは、クールビズ用としてノーネクタイスタイルにも着用できます。

【着用可能時期は、真夏】

モヘアトロフィーMohair Trophy(モヘアトロフィー)

南アフリカ産の上質なモヘアを使用した夏向けの定番素材です。英国産のモヘア入り生地は硬めでゴワゴワしたものが多いですが、ゼニアのモヘア混生地は薄くて軽いのが特徴です。薄いながらも生地にハリやコシがあって、モヘアの光沢感や清涼感は損なわれていません。モヘア混の素材はシワになりにくいので、湿度の高い日本国内では評判もよく人気があります。

【着用可能時期は5月〜10月初旬】

スティーレリベロStile Libero(スティーレリベロ)

2018年春夏に新発売の夏用素材。強撚糸とライクラをかけ合わせることで、横方向に伸びるストレッチ素材を開発しました。英語でフリースタイルという名前がついているこの素材は、210gと軽量で平織りの夏用に作られています。

強撚糸を使うとシャリシャリとした触感になりがちですが、このスティーレリベロはサラサラとした清涼感のあるさわり心地で、湿度の高い夏でも快適に着ることができます。ゼニアがスーツ生地にライクラを使用するのは初めての試み。

【着用可能時期は春と夏】

カシコCashco(カシコ)

カシミアと繊細なエジプト綿をブレンドして織り上げたカジュアル向け素材。カシミアとコットンのそれぞれの特徴を消すことなく、異なる季節の2種の天然素材をブレンドしました。ゼニア社の技術を駆使して出来上がったカシコは、幅広い気候に順応しています。

色展開も多彩で、シーズンを問わずに楽しむことのできるカジュアルな素材として好評。また、単なるカジュアル素材というだけではなく、カシミア混ならではの品格を同時に感じられます。

【着用可能時期は、オールシーズン】

トロフェオデニムTrofeo Denim (トロフェオデニム)

2017年秋冬に新素材として登場したトロフェオデニム。デニムといえば通常はコットン100%ですが、トロフェオデニムはウール100%でデニム感を再現。生地の目新しさがウケて、秋冬の発売時にはすぐに完売。

色落ちしない加工がしてあり、色落ちしない加工がしてあり、軽くしなやかなタッチが特徴で、ジャケットにもパンツにも使用することができるカジュアル向けの生地で、秋冬用と春夏用の2種類あります。

【春夏用と秋冬用の2種類あります】

クロスプレイCross Ply(クロスプレイ)

夏のジャケット用の素材です。真夏用のジャケット素材といえば麻100%が見た目に清涼感があって良いのですが、シワになりやすいのが大きなデメリットです。そこでこのクロスプレイは、見た目は麻100%の雰囲気なのに、ウールとシルクを混紡させてシワになりにくくしています。

麻49%・ウール32%・シルク19%の3種類を混紡で、涼しくてシャリ感があって、汗ばむ時期でもサラリと着ることができます。色柄も豊富で、夏のジャケット用素材として人気があります。

【着用可能時期は4月〜10月初旬】